『もっとも身近な呪いのコトバ』

20年以上、人の身体に触れること、そして患者さんやクライアントさんと会話をし続けてきた経験の中で、私が思うもっとも身近で、且つ強力な呪いのコトバがあります。

それは皆さんが生活のなかで、脈々と先代から語り継がれ、そして日常の中でもごく自然に口にし耳にし使用され拡散され浸透しているコトバであります。

そのコトバとは、

【歳のせい】

≪呪い≫ というコトバは、

その音は ≪ノロイ≫ であり、ある意味では ≪鈍い≫ となる。

[進み方がゆっくりしている様] [遅い] [遅くなる]

また、[動作や頭の働きなどが悪くなる]

などに用いられる ≪鈍い≫ と同じ音であり、同じ効力を発揮するコトバ。

【歳のせい】

という呪いのコトバは、まさしくそれを無自覚に聞いてしまった者に対してだけでなく、口にした本人に対してもその動作や感覚や感受性、そして思考を鈍らせる効力がある。

だが、カラダの内側の世界には【歳のせい】というものは存在しないのです。

カラダの内側の世界に在るもの、

それは、私たちの意識や日々の体験、学習によって常に変わり続ける世界なのです。

年齢に関係なく、どれだけ意識を持って、動き、感じ、学びを続けるかによって、カラダは柔軟に変化し、成長する可能性を秘めています。

カラダの内側の世界に在るルールはいたってシンプル。

『知らないこと・やらないこと・無自覚な動作はどんどんできなくなる』

そしてもうひとつが、

『やれば、やり続けていれば・意識を持って反復すればできるようになる』

ある意味で、この2つしかないのです。

そしてもうひとつだけあるのが、寿命という〆切だけ。

現代社会、いろいろな運動法・食事法・健康法はそれこそ星の数ほどネットの海に溢れていますが、

そのどれに手を出すかよりも、まずはもうすでに自分にかかっている呪いを解くべきなのです。

それは、次になにか

【歳のせい】

と口にしたくなったとき、耳にしたときにこう自分自身に問いかけてみてるのです。

「本当にこれは歳のせいなのか?」と。

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