航海と後悔

私の数少ない趣味と言いますか、ライフワークのひとつが

【神社巡り】

なのですが、基本いつもどんな場所であっても

≪日帰りで行く≫

のがマイルール。

昨日の目的地は、

【宗像大社】

場所は九州は福岡県。

宗像大社さんは、日本神話にも登場する日本最古の神社の一つなのですが、
ちょっと変わっておりまして・・・

沖津宮、中津宮、辺津宮とあり、この三宮を総称して宗像大社と言うのです。

ただ、沖津宮のある沖ノ島は現在神職以外の人は渡島できず

九州本土から船で行く大島という島にある中津宮には行けるということで、
それは行くべきでしょうと、目的地に設定しました。

始発の電車に乗り、始発の福岡行きの飛行機に飛び乗り、
そこからレンタカーに飛び乗って大島行きの船が出航する神湊港を目指す。

本来なら、

当然、辺津宮を参拝してから中津宮に行く予定だったのですが
福岡の朝の交通渋滞度合いがハンパなく、予想外のタイムロス。

本来ならば、博多駅あたりでゆっくりモーニングでも食べながらと思っていたのも空しく、
空腹のままコンビニのコーヒー片手に運転する始末。

ただ、

のちにこれが功を奏することになるとは、その時はまだ知らず。

ちなみに、

当日の福岡県の天候は、くもり。

時折、小雨がぱらつく程度。

そして、11:15出航予定の神湊港に11時ちょうどに到着する。

「おや、思ったより人がいないものだな・・・」

と感じながらも、時間はあまりない。
だが港用の駐車場の場所がわからず、仕方がないので一度路肩に停めて
関係者さんらしい方のところに訊ねるべく近づいていく。

すると、そこにいたおじさんから(ま、自分も十分おじさんですが、、)

港のおじさん『そんなとこにクルマ停めちゃダメだよ!!』

オイラ「あ、すいません!船に乗りたいので駐車場の場所を教えてほしいのですが」
と聞いてみると、港のおじさんはこう言うのです。

港のおじさん『は!? 今日これから乗るの??行くけど帰ってこれねえぞ!!』

オイラ「え・・・。マジっすか!?」

そう言われて、はじめてちゃんと海を見てみると大荒れ。そして強風。

とにかく、次の船はギリギリ出航できるがその後の船がどうなるかはまったくわからない状況なのだと。

船は出航直前、悩んでいる時間はない。

しかし、今日はこの為に時間と労力をかけてここまで来た。

大島に渡り、その後船が欠航すれば

レンタカーも、帰りの飛行機も、
そして何より明日の仕事に穴をあけることになり、クライアントさんに迷惑をかけてしまう。

行くか? 戻るか?

でも、

行って後悔するよりも、行かないで後悔するほうが嫌だと感じた。

そして、

でも、結局のところ

この自分の人生をふるいにかける感じが、私はたまらなく好きなのだ。

ワクワクが止まらない。

その直後、私は券売機で往復の乗船券を購入していた。

そして、船は大島に向けて出航する。

大島までは片道25分。

たかが25分、すぐではないか。
ただ、船酔いも嫌だと思いデッキの方に向かったところ、これまた船員のオジサマに

『今日はデッキいたらダメだよ!!下に行け!!』

とアドバイスを頂いた。

スゴスゴと客席エリアに行き腰かけた頃に船は港を出航して島を離れる。

そこで、さっきのオジサマのアドバイスの意味を痛感する。


こんなに船って縦揺れするのか!!?

その昔、ディスカバリーチャンネルで観たベーリング海のズワイガニ漁を思い出す。(ま、もちろんベーリング海ほどはすごく無かったですが・・・)

あまりの船の縦揺れと、波しぶきに声が出てしまう始末であったのですが、ふとまわりを見渡すと、島民らしい人たちは皆、静かに船内テレビを観ているのだ。
心から空腹でよかったと思う。なんか食べていたら本当にダメだったと思います。


そんな状況での25分の航海。たった25分でしたが、私の体感時間的には4時間ぐらいな感覚でした。なんとか、無事に大島に到着。

そして、念願の宗像大社辺津宮に辿り着くことができたのだ。


おかげさまで、帰りの13:00発の船も無事に出航することになり

島滞在時間約1時間の参拝を終えて、なんとか本土に帰ってくることができました。


改めて、

太古の人たちが船で海を渡ってきたという現実が、とんでもないことなのだと感じる。

日常が命がけ。

それが当たり前だったのだなと。

今回の旅はほんのちょびっとだけ、

そんなことを感じることができた日帰りツアーでした。


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